「伝統工芸観光コンシェルジュ」研修ツアーその③~蒔絵師・本田充さんの工房~

11日に発生した東北地方太平洋沖地震から、もうじき二週間になります。
この度の大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

震災から二週間近くになりますが、悲しい報道が連日流れています。
ですが、少しでも福島の元気を取り戻せるように日々頑張ってまいりたいと思います!

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今回も「伝統工芸観光コンシェルジュ」研修ツアーの様子をお伝えします!
研修ツアーの最後に皆さんで回った工房は、蒔絵師・本田充さんの工房です。

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ご自宅で蒔絵のお仕事をなさっている本田さん。
まず最初は、蒔絵についてのお話やどのようなものを描いているのかをお話してくださいました。

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金や銀の輝きが美しい本田さんの作品に魅入っている研修生の皆さん。
丁寧に描かれた紅葉や桜の絵は、季節感を感じさせ、器の魅力をより引き立てています。
思わず「ほしい!」という声も飛び出すほど素晴らしい作品!

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そうしてお話を聞いた後は、仕事部屋を見せていただきました。
本田さんの工房では、手描きの蒔絵とシルクスクリーンを使用した蒔絵の両方を行っています。
シルクスクリーンの手法も、版を重ね高度な技術を必要とする事を知って皆さん驚いた様子。
立体感が表現されたシルクスクリーン蒔絵はとても綺麗で、「下絵はシルクスクリーンで量産できるけど、その後に蒔絵粉を蒔くのはひとつひとつ手仕事。その工程は手描きの蒔絵と変わらない」と教えてくださる本田さんのお話を聴いて、手描きと同様に手間をかけて仕上げられていることを学びました。

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次は手描きの蒔絵の様子を見せてくださいました。

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皆が固唾をのんで見守る中、蒔絵筆を使ってゆっくりと絵を描いていく本田さん。
流れるような筆さばきに注目していると・・・なんと桜の絵が描かれていました^^
その途端、研修生たちの間からは「おお~!」と感嘆の声が!

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次に本田さんが見せてくださった蒔絵は、まるで金の粉が舞っているような模様。
しかもその模様を付けるために取り出したものは、なんとスポンジ!
「それ私の家にもある!」と驚く声が飛び出す中、身近にあるものを使ったりと皆さん工夫をして行っていることが分かりました。

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本田さんは、蒔絵に使う道具も見せてくださいました!
金や銀を細かくした蒔絵粉や、その粉を蒔くための粉筒。
金を薄く伸ばした金箔の綺麗さに、研修生は身を乗り出して見入っていました。

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蒔絵師さんの滑らかな筆さばきに感動し、蒔絵がどうやって描かれていくのかを初めて間近で見て知ることができた、本田さんの工房見学。
木地師の三浦さん、塗り師の吉井さんの工房も見学し、研修生の皆さんは会津漆器の魅力にどっぷりとつかってくださったようです^^

熱い想いを抱き制作に励む職人さん達の姿。
そして長い長い時間をかけて丁寧に仕上げられていく漆器の奥深い魅力。
その魅力は、こうしてひとつひとつ出来上がっていく過程にも山ほど存在していることを知り、研修生の皆さんはとても勉強になった様子でした!

こうした機会を通して、これからも会津漆器の魅力を皆さんにお伝えしていきたいと思います^^

「伝統工芸観光コンシェルジュ」研修ツアーその②~塗り師・吉井信公さんの工房~

前回に引き続き、「伝統工芸観光コンシェルジュ」研修ツアーの様子をお伝えします!

木地師の三浦圭一さんの工房の次に訪れたのは、塗り師の吉井信公さんの工房です。

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ご自宅で塗りのお仕事をなさっている塗り師の吉井さん。
笑顔で出迎えてくださった吉井さんに案内され、仕事部屋にお邪魔すれば、そこには色とりどりの素敵な作品が!
吉井さんは、会津独自の技法である「金虫喰い塗」や独自の「変わり塗」を行うプロフェッショナルです。

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仕事部屋の奥の方には、金虫喰い塗の工程を解りやすく並べた器達がずらり。
興味深げに覗き込む研修生たちを前に、吉井さんが早速金虫喰い塗の工程を教えてくださいました。

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吉井さんを囲んで、金虫喰い塗の工程に興味津々で耳を傾ける研修生の皆さん。
初めて見る金虫喰い塗の工程に、「まさかこんなにも沢山の工程があるなんて!」と皆さん感心して見入っていました。
48にものぼる工程を経て完成するには、1ヶ月はかかるという金虫喰い塗。
この技法を行っている職人さんは、今では二人ほどしかいらっしゃらないそうです。
独特なその模様は大麦を蒔いているからということや、銀粉を蒔いた後に飴色の透き漆を塗ることで“金色”が表現されていることも知り、今まで知らなかった発見の連続!!
塗りという仕事が、とてもとても長い時間をかけて行われていることを学びました。

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他にも、お椀などを塗る際に昔使用したろくろや、塗り終わったお椀を乾かす際にひっくり返す職人技などを見せてくれた吉井さん。
そして先代からの時代を感じさせる漆風呂の中は、戸を開ければまさに宝の山!
熟練の職人さんによる多様な器の数々に、研修生の皆さんも目を丸くしていました。

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そして吉井さんの作品を囲んでの質問タイム!
とは言っても、これまで説明をしてくださっていた間にも既に皆さんからたくさんの質問が出ていました^^
吉井さんの楽しいお話で、工房内はとっても和やかムード。
時折賑やかな笑いが起きる中、吉井さんは皆さんの質問に答えたり、塗りに使う「濾し紙」という和紙やお椀を塗る際に棒に固定する「きゃら」という蝋等についてお話してくださったりと、沢山のことを教えてくださいました。

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研修が終わるころには、吉井さんの素敵な作品にすっかり魅了された研修生もおり、皆さん笑顔で吉井さんの工房を後にしました。
吉井さん、この度は見学をさせてくださりありがとうございました!!

次は蒔絵師・本田さんの工房での様子をご案内します^^

「伝統工芸観光コンシェルジュ」研修ツアーその①~木地師・三浦圭一さんの工房~

先月末に、「伝統工芸観光コンシェルジュ育成事業」の研修生の皆さまが會’s NEXT職人さんの工房を巡る研修ツアーがありました!

「伝統工芸観光コンシェルジュ育成事業」とは、「極上の会津プロジェクト協議会」(会津17市町村や観光関係団体約70団体で組織、事務局:会津若松市観光課)が中心となって行っている、伝統工芸の観光ガイドを育成する事業です。
会津の伝統工芸について学ぶべく、研修生の皆さんは先日会津本郷焼の研修を行い、今回は会津漆器の研修を行いました!

会津漆器の研修では木地師・塗り師・蒔絵師の工房を順にめぐっていきましたが、今回はまず最初に訪れた木地師さんの工房見学の様子をご報告します^^

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訪れたのは、木地師の三浦圭一さんの工房です。
工房の前にずらりと並び、三浦さんからの説明を聴く研修生の皆さん。
そしてさっそく三浦さんの工房内に案内していただき、両側にずらりと並ぶ乾燥中の木地の山にびっくり!

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雰囲気のあるストーブで暖かい工房内では、三浦さんが道具のカンナボウの説明をしてくださり、木地が出来上がるまでの工程を説明してくださいました。
木地を挽くためのカンナボウは木地師さん自ら制作しているとのことで、工房には鍛冶場もあるというお話を聞いてあがる驚きの声!

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その後は三浦さんが直接木地を挽いて見せてくださり、研修生の皆さんも身を乗り出して見学。
普段はなかなか見る機会の無い木地を挽く場面に皆さん興味津々の様子で、三浦さんが木地を挽いていく過程を一心不乱にじっと見つめていました。

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その後は職人さんへの質問タイム!
「ひとつの木地を仕上げるまでのどのくらい時間がかかるんですか?」「何年くらい木地を乾燥させているんですか?」と、研修生の皆さんからは次々と質問が飛び出します。
三浦さんの工房には50年以上も乾燥させている木地もあり、使用する木も100年以上経った栃やケヤキなど。
気の遠くなるような年月を感じさせるお話に、研修生の間からも感嘆の声が漏れます。

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木地のお話を聞いた後は、三浦さんが木地を乾燥させている場所を見学させてくださいました。
20年以上も乾燥させている木地が並ぶ様子は、まさに“木地のワインセラー”。
「こんな情景を見られるなんて感激です」と、頭上にも連なる木地の山に、皆さんは圧倒された様子で周囲を見渡していました。
昭和の色あせた新聞が貼られた木地を見て驚きの声があがり、研修生の皆さんは、木地にかけられた長い時間を改めて感じていました。

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会津漆器の土台ともいえる木地が仕上がるまでの様子を、直接目で見て学ぶことができた三浦さんの工房での研修。
初めて耳にする木地の乾燥のお話や木地制作のお話など、直接職人さんから説明を聴いて、皆さんとても勉強になった様子でした。

三浦さん、この度は本当にありがとうございました!!

次回は塗り師の吉井信公さんの工房見学の様子をお伝えします^^

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